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毎週日曜日
2020年08月29日
実務の現場にて

事故物件・心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、物件で自殺・他殺・火災事故・建物建築中の死亡事故・孤独死・事故死・孤独死などが過去にあったり、近隣に墓地や嫌悪・迷惑施設、近隣に指定暴力団関係の使用施設、構成員等が居住しているなどを言います。

宅建業者は、心理的瑕疵・事故物件等を扱う場合、告知義務が発生します。

昨日「事故物件 恐い間取り」という映画を観てきました。芸人さんがテレビ企画で複数の事故物件に住み、そこで遭遇した怪奇現象に映画化したノンフィクション映画。不動産のプロとして、またホラー好きとしても興味があり観ましたが、実話をもとに作られたこともあり、あり得るなと思うとやはり怖いですね。

私たち宅建業者は心理的瑕疵・事故物件等を扱う場合、告知義務が発生します。宅建業法では心理的瑕疵に関わる告知義務という定めはありませんが、宅建業法47条で宅建業者が「宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、(中略)、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」を禁止していてこの条文が宅建業者が告知義務を負う根拠となっています。心理的瑕疵を知りながら告知しないことは、宅建業法違反に当たります。また、その行為は契約不適合責任を問われることにもなります。

さて、この告知期間はどれくらい必要なのでしょうか?

自殺などの場合、賃貸物件では、2~3年程度、売却物件では、5~6年程度までは告知義務があると考えられています。

入居者が変われば告知義務は不必要?

賃貸物件の場合、事件後新たな入居者が入り上記期間程度経過後は告知義務は不要になると考えられています。売却物件の場合にも、物件が買主から次の人に売却されれば同様です。(東京地裁平成19年8月10日)但し、事件の内容等により近隣の方が多く知っていたり、語り継がれているケースなどは告知をすべきかと思います。

私の今までの実務においては、殺人や自殺等の事故物件は殆どありませんでしたが、孤独死は数件体験しております。殆どなかった方で扱った事故物件、その一つは30年近く前でしたが、押し入れの中で母親が赤ちゃんと心中を図り亡くなったという一戸建ての売買仲介でした。買主様と何回か内覧した中で夕方暗くなりお客様が先に玄関を出て建物内には私一人、電気を消し、その押し入れを背にしたときに背中がスーッと冷たく、相当ビビりながら小走りで退室したことをよく覚えています。怖がっていたのでそう感じただけかも知れませんが、。余談になりますが、買主様がその事故について全く気にされなかったという事の衝撃も記憶に強く残っています。30年近く前なので特定も出来ないでしょうし個人情報等は時効という事で、もう少しだけ詳細を書きますが、買主様は現在の住まいが立ち退きが理由で移転、60代後半の母親と息子さんお二人で住むという事でした。当然物件は相場より10%~20%は安かったと思います。正直告知したら怒られるか内覧をやめるかと思いながら初回内覧時に事故のことを申し上げると、そうですか、と母親は顔色一つ変わらず回答され、内覧後、購入したいですと言われ、世の中には色々な方がいるのだなと自分の常識が変わったこともよく覚えております。

この記事を書いた人
桑原 賢児 クワバラ ケンジ
桑原 賢児
不動産業界に入り約31年、バブル時代から、リーマンショック、現代まで時代と共に不動産を通じ青山、表参道、原宿~港区渋谷区を見て参りました。 今迄培った経験と知識実績をもとにお客様のニーズに対し、より最適で効率的な提案をさせて戴きます。
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